国際海上コンテナ(40ft背高)の特殊車両通行許可不要制度
国際海上コンテナ(40ft背高)の特殊車両通行許可不要制度について解説しています。
重要物流道路制度、特車許可不要制度と様変わりする法令に対応し続けなければいけません。

国際海上コンテナ(40ft背高)の特殊車両通行許可不要制度

国際海上コンテナ(通称:海コン)は海上貿易の多くの割合を占める国際物流の根幹をなす輸送方法です。
その国際海上コンテナを運搬するセミトレーラ連結車に関しては、2018年(平成30年)に【重要物流道路制度】が作られ、道路管理者が道路構造等の観点から支障がないと認めて指定した区間に限定して、ではありますが、一定の要件を満たす国際海上コンテナ車(40ft背高)の特殊車両通行許可が不要となりました。

重要物流道路制度とは?

物流の更なる円滑化を図るために国土交通大臣が指定する道路で、平常時・災害時を問わず、安定的な輸送の確保のために、物流上重要な道路輸送網として国土交通大臣が指定した路線で、機能を強化し、重点的な支援が実施されています。
また、重要物流道路の代替・補完路をあわせて指定し、重要物流道路や代替補完路については災害時の道路啓開・災害復旧を国が代行することが可能となります。

重要物流道路に指定されると

・道路構造の基準を国際海上コンテナ車対応に引き上げる
・構造上支障のない区間は、国際海上コンテナ車の特車許可不要になる
・地方自治体の場合は個別補助制度も活用され支援を受けられる

という効果があります。

国際海上コンテナ車(40ft背高)の特車許可不要区間について

その名の通りではありますが、対象車種は国際海上コンテナ車(40ft背高)のみとなります。
※40ft背高コンテナを積載しない状態で通行する場合も含みますが、それ以外のコンテナ車は対象外となります。
※車両の車軸の数及び軸距に応じた制限があります。このほか、軸重(11.5t)、 輪荷重(5.75t)の制限もあります。
特殊車両通行許可不要区間の一般的制限値

特殊車両通行許可不要区画
一般的制限値

総重量(t) 44
車高(m) 4.1
車長(m) 16.5

国際海上コンテナ車(40ft背高)の通行要件

特殊車両通行許可不要区間を通行するための要件は以下の通りです。

国際海上コンテナを運搬するものであることを証明する書類の携行

・現に運搬しているコンテナに係る機器受渡証(EIR)
・車両を運転する者に対して運搬を指示する書面(輸出又は輸入の用に供するコンテナの運搬を指示する旨の記載があるものに限る。)
※その名称にかかわらず、以下の内容が記載されているものに限られるものとする。
(1)コンテナを輸入又は輸出するための運搬である旨の記載
(2)コンテナの輸出若しくは出発又は搬入若しくは到着の場所及び日時(運送年月日)
(3)荷主(送又は受)名
(4)コンテナの寸法
(5)船積予定港又は揚予定港の名称

ETC2.0車載器の搭載及び登録

業務支援用ETC2.0車載器を搭載し、特殊車両通行許可オンライン申請webサイト(通称PRサイト)から「車載器管理番号」「ASL-ID」「自動車登録番号」を登録したもの

通行経路に特車許可必要区間を含む場合

通行経路の中に特車許可必要区間を含む場合(言い換えると特車許可不要区間以外の道路を通行する場合)は、通常通り特殊車両通行許可申請が必要です。

許可不要区間内には、通行方法が定められている場合があります。通行時には、 事前に通行方法が設定されている区間および交差点を確認し、指定された通行条件を遵守しなければいけません。

 

申請時に、許可不要区間の部分は、通行条件(算定)は付与されません。 (ただし、許可必要区間との接続部の折進審査を除く。)

申請の提出先

特殊車両通行許可申請不要制度(許可不要区間の通行をする場合)を利用する場合で、経路の中に許可必要区間を含む場合の申請の提出先は以下の通りです。
なお、許可不要制度適用申請では、許可不要区間の都度審査を行いません。 このため、経路に許可必要区間を含む道路管理者にのみ提出が可能です。 ただし、許可不要区間と許可必要区間の接続部交差点は審査を行います。そのため、接続部交差点を管理する道路管理者には申請が可能です。

許可必要区間に直轄国道が含まれる場合

①出発地 → 途中経路1(国管理の許可不要区間)
②途中経路1 → 途中経路2(国管理の許可必要区間)
③途中経路2 → 目的地(地方公共団体管理の許可必要区間)
この場合は、国にも申請が可能です。

許可必要区間に直轄国道が含まれない場合

①出発地 → 途中経路1(国管理の許可不要区間)
②途中経路1 → 途中経路2(地方公共団体管理の許可不要区間)
③途中経路2 → 目的地(地方公共団体管理の許可必要区間)
この場合は、地方公共団体に申請

許可不要区間から許可必要区間に折進して進入する箇所が含まれる場合

この場合は、国にも申請可能(折進について審査が必要なため)
※ただし、許可不要区間と許可必要区間のいずれもが地方公共団体管理の道路の場合は地方公共団体に申請

参考:海上コンテナの規格

最後に参考までに海上コンテナの規格について解説しておきます。なお、45フィートコンテナに関しては、現在特区(みやぎ45フィートコンテナ物流特区)以外は道路交通法により公道走行を認められておりません。今後の法改正が待たれるところですが、海外に比べて日本の道路は幅員が狭い傾向にあるためいつの話になるかは分かりません・・・

規格 20フィート 40フィート

40フィート
(背高)

45フィート

サイズ(m)
(H×B×L)

2.591×2.438
×6.058

2.591×2.438
×12.192

2.896×2.438
×12.192

2.896×2.438
×13.716

最大総質量(t) 30.480
最大積載質量(t) 28.080 27.610 27.480 26.530
純積載容積(m3) 33.1 67.3 76.0 85.6