制限外積載許可とは?特殊車両通行許可とどう違う?許可の申請先は?
特車申請通行許可申請に密接にかかわる制限外積載許可等の許可申請について解説しています。

制限外積載許可とは?特殊車両通行許可とどう違う?許可の申請先は?

制限外積載許可とは、貨物が分割または切断できないもので、車両の積載制限(幅・長さ・高さ)を超えて積載する場合に、出発地を管轄する警察署に申請をする許可になります。
(貨物の例:電柱・変圧器・鋼材等)

 

最近法改正がされて、制限が緩和されてはいますが、無許可で走行することは認められていませんので、注意が必要です。
緩和後の制限は以下の通りです。

積載物 制限値(2022年5月12日まで) 制限値(2022年5月13日から)
車両の幅まで(はみ出し禁止) 車両の幅の1.2倍まで
長さ 車両全長の1.1倍まで 車両全長の1.2倍まで
高さ

地面から積載物の上まで3.8m
(高さ指定道路は4.1m)

地面から積載物の上まで3.8m
(高さ指定道路は4.1m)※変更なし

制限外積載許可と特殊車両通行許可との違い

上記の条件をご覧頂くと特殊車両になるような一般的制限値を超える車両でなくても制限外積載許可が必要になりそうなケースがあることが想定できると思います。

 

従って、特殊車両通行許可とあわせて制限外積載許可が必要になるケースもあり、なんとなく同じような制度に見えてしまいますが、基本的には分けて考えて頂いた方がいいです。

 

まず、特殊車両通行許可は道路法という法律に基づいた制度です。
そして、制限外積載許可は道路交通法という法律に基づいた制度になるため、両制度は併存することになります。つまり両方の許可が必要になるケースがある。ということです。

 

もちろん、特殊車両通行許可だけが必要なケース又は制限外積載許可だけが必要なケースもあります。

 

例えば、車両の幅が2mのトラックに2.42mの荷物を載せる場合、車両の幅の1.2倍を超える大きさの荷物を載せることになります。この場合は制限外積載許可が必要になりますが、一応、一般的制限値内になるため特殊車両通行許可は不要。と考えることができます。

 

もちろん、2.42mの荷物がはみ出さずに載るトラックで運ぶのが理想ですが、ここはあくまで制限外積載許可が必要で特殊車両通行許可が不要なケースの例ということでご容赦ください。

制限外積載許可については、大きなトラックで運ぶ等の制限外積載許可を得ずに通行できる代替手段が有る場合は、許可がおりないことがあります。

制限外積載許可の申請窓口と必要書類、許可年数について

既に説明してしまっておりますが、制限外積載許可の申請窓口は出発地を管轄する警察署(許可をするのは警察署長)に運転手の名義で申請します。
窓口は通常、各警察署の交通課になります。都道府県によっては幹部交番でも受け付けているようです。※都道府県によって異なりますので、事前に所轄の警察署にご確認ください。

必要書類(愛知県の場合)

制限外積載許可申請書 2通
運転経路図(必要に応じて、運行する道路名・交差点名を明確に示す経路表等)2通
積載状態図(車両に積載物を積載した状態で、長さ・幅・高さが記載されたもの)2通
車検証の写し 2通
特殊車両通行許可証の写し 2通(必要に応じて)
こちらも各都道府県によって異なりますので、必ず事前に所轄の警察署にご確認ください。

許可自体の期間と許可までの期間

許可の有効期間は1年間となります。更新はありませんので、必要であれば新規の許可の取り直しとなります。

 

許可取得までの期間は愛知県内の通行のみであれば申請から3日(行政庁の休日を除きます。)県外を通行する場合は、追加で数日かかります。
また、通行時間等の条件が付せられることがあります。

制限外積載許可の上限

制限外積載許可をとった場合でも、積載できる貨物には上限があります。この上限を上回る積載物は許可が下りませんのでご注意ください。

制限上限

車両の幅に1mを加えたものまでであって、
車両の左右から0.5mを超えないこと
積載時の幅が3.5mを超えないこと

長さ 車両の長さの1.5倍まで
高さ 4.3mまで

制限外積載許可にかかる費用

制限外積載許可にあたって、警察署に支払う手数料は無料です。

 

弊所にご依頼を頂く場合の制限外積載許可等代行手数料

ご依頼内容 代行手数料 備考
申請書作成代行(全国対応) 8,800円 特車申請と同時依頼の場合
申請書作成代行(全国対応) 13,200円 制限外積載許可等の単独依頼の場合
申請書作成及び提出 19,800円

弊所から20km超の警察署については
別途交通費を頂戴します。

同じ手続きで申請する別の許可

制限外積載許可と同じ申請書で出来る別の手続きがありますので、念のためご紹介しておきます。弊所代行費用は制限外積載許可と同額になりますので、ご用命がございましたらお気軽にお問い合わせください。

設備外積載許可

乗用車の屋根や貨物自動車の側板外周等、車両の乗車または積載のために設備された場所以外の場所に積載した状態で車両を運転する場合の許可
例)祭礼行事や選挙運動等により車両の装飾を必要とする場合

荷台乗車許可

貨物自動車の荷台部分等に人を乗車させて運転する場合の許可
例) 祭礼行事等により荷台に人を乗せる場合

制限外けん引許可

少し違うけど、似た手続きとして、制限外けん引許可というものがあります。本来の表記は牽引ですが、読みにくいのでひらがな表記としております。

 

制限外けん引許可が必要な場合は、
自動二輪又は小型特殊自動車によって1台を超える車両をけん引する場合
その他の車両で2台を超える車両をけん引する場合
けん引する車両の前端からけん引される車両の後端までの長さが25mを超える場合
となり、上記に該当すれば制限外けん引許可が必要となります。
(愛知県の表記に準じて記載しています。)

制限外けん引許可申請の必要書類

制限外牽引許可申請書 2通
運転経路図(必要に応じて、運行する道路名・交差点名を明確に示す経路表等)2通
積載状態図(車両に積載物を積載した状態で、長さ・幅・高さが記載されたもの)2通
車検証の写し 2通

制限外けん引許可の申請先

原則として、出発地を管轄する警察署の交通課窓口が申請先となります。
ただ、①県外から愛知県内の道路を通行する場合は、県境から最初に入った道路を管轄する警察署に申請して下さい。
②愛知県から県外へ行く場合は通行する各都道府県の公安委員会の許可が必要になります。
愛知県の場合、上記のような表記となっておりますので、三重県から愛知県に来る場合や愛知県から岐阜県に行く場合ともに両県の許可が必要になります。

制限外けん引許可の手数料

警察署に支払う手数料は無料です。
弊所に代行のご依頼を頂く場合は上記の制限外積載許可と同様となります。
ただし、2以上の都道府県にまたがる許可が必要な場合は、別途お見積り致しますので、お問い合わせください。

許可までの期間とローカルルール

愛知県の場合、申請から許可証の交付まで5日(行政庁の休日を除きます。)となっております。
ただし、以下の注意事項をご確認ください。

※こちらの許可も都道府県によってローカルルールがあります。
・台数を明示せず、けん引する車両の前端からけん引される車両の後端までの長さのみの規制(秋田県)
・けん引状態での車両の実査が必要なところ(岐阜県)
・標準処理期間も3日~10日と都道府県によって、やや幅があるようです。

 

まずはご相談からでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。